サポニンが注目された背景

 

サポニンが注目されるようになったのは、何といっても大豆サポニンの登場したことが大きいといえるでしょう。大豆サポニンは大豆の胚軸部分に多く含まれており、この部分が大豆独特の渋みや苦味の主成分にもなっています。

 

渋みといえばお茶との共通イメージが浮かびやすいと思います。サポニンはもともと植物に含まれる配糖体のことですが、水溶液が石鹸のように泡立つので「サボ=石鹸」という言葉になったともいわれています。

 

普通に大豆を煮ても泡立つのはご存知の通りで、これもサポニンが多く含まれているからなのです。大豆サポニンが注目された理由は、強い抗酸化作用を持つからで、これが体内の余分な脂質の過酸化を抑制して、代謝を促進させるのです。

 

サポニンは水にも油にもよく溶ける性質ですから、血管に付着した脂質の除去や、血中コレステロールの低下にも有効で、高脂血症、動脈硬化、高血圧の人に対する一定期間のサポニン投与テストでは、総コレステロールが71%、中性脂肪は88%の割合で、血中脂質の改善が確認され、その効果には折り紙がつけられました。

 

こうなるとサポニンの含まれている他の食材にも注目がいくこととなり、お茶に関してもカテキンやビタミンと共にサポニンの抽出技術が高まっていったのです。その成分自体は古くから経験的にお茶の産地などでは知られていたようですが、こうして科学的に効果が立証されたことで、いよいよ健康とダイエットの食材として見られるようになったわけです。